2020
Nov
29
2
『イグアナ/愛と野望の果て』 孤独と絶望の人生
モンテ・ヘルマンの『イグアナ/愛と野望の果て』を観た。
『コックファイター』から14年ぶりの監督作だが、当時は日本未公開だったらしい。
未公開になるのも頷けるというか、間違いなくヒットはしなかっただろう暗い内容だが、俺のようにコンプレックスのある人間には深くハマる映画でもある。
『イグアナ/愛と野望の果て』(1989)
監督 モンテ・ヘルマン
主演 エヴェレット・マッギル
主人公は顔にイグアナのような爛れを持つ船夫。
親からも見捨てられ、社会からもバカにされ続けてすっかり腐ってしまっていたが、漂着した無人島で王になる。
映画においてこの手の醜いキャラクターは優しい心とセットになっていることも多いが、このイグアナ男に関しては全くそんなことはなく、虐げられてきたコンプレックスを爆発させる。
(『不知火検校』や『銭ゲバ』を思い出す)
仲間同士に首を斬らせ、お嬢様(マル・バルディビエルソ)を性奴隷化し、島民達にはわざと悪意を煽るような統治を行い、やりたい放題のイグアナ男。
酷いありさまに気が滅入るが、王になってさえも島民達に憎まれ続け、誰からも愛されない姿が段々と哀れになってくる。
性奴隷が妊娠した時点では、女側からも少し情が芽生えてきたように思えるが、それを知ってか知らないふりをしているのか、身重の身体を引きずり回し、「もし赤ん坊が俺に似ていたら殺す」と告げる。
終わり方はこれ以上無いぐらい絶望的だが、ようやく救われたような気もする。
愛したことも愛されたこともなく、楽しいことが全く無い人生だったろう。
あのまま育てたところで、子供に人生を歩ませることができるだろうか。
あの選択が、彼なりの赤ん坊に対する愛のようなものだったのかもしれない。
マイケル・マドセンが右腕役として出ていて、いつもの粗野な役とは少し違った存在感を放つ。
数年後、モンテ・ヘルマンが関わっていた『レザボア・ドッグス』に出演していたが、この映画で既に縁があったんだな。
『コックファイター』から14年ぶりの監督作だが、当時は日本未公開だったらしい。
未公開になるのも頷けるというか、間違いなくヒットはしなかっただろう暗い内容だが、俺のようにコンプレックスのある人間には深くハマる映画でもある。
『イグアナ/愛と野望の果て』(1989)
監督 モンテ・ヘルマン
主演 エヴェレット・マッギル
主人公は顔にイグアナのような爛れを持つ船夫。
親からも見捨てられ、社会からもバカにされ続けてすっかり腐ってしまっていたが、漂着した無人島で王になる。
映画においてこの手の醜いキャラクターは優しい心とセットになっていることも多いが、このイグアナ男に関しては全くそんなことはなく、虐げられてきたコンプレックスを爆発させる。
(『不知火検校』や『銭ゲバ』を思い出す)
仲間同士に首を斬らせ、お嬢様(マル・バルディビエルソ)を性奴隷化し、島民達にはわざと悪意を煽るような統治を行い、やりたい放題のイグアナ男。
酷いありさまに気が滅入るが、王になってさえも島民達に憎まれ続け、誰からも愛されない姿が段々と哀れになってくる。
性奴隷が妊娠した時点では、女側からも少し情が芽生えてきたように思えるが、それを知ってか知らないふりをしているのか、身重の身体を引きずり回し、「もし赤ん坊が俺に似ていたら殺す」と告げる。
終わり方はこれ以上無いぐらい絶望的だが、ようやく救われたような気もする。
愛したことも愛されたこともなく、楽しいことが全く無い人生だったろう。
あのまま育てたところで、子供に人生を歩ませることができるだろうか。
あの選択が、彼なりの赤ん坊に対する愛のようなものだったのかもしれない。
マイケル・マドセンが右腕役として出ていて、いつもの粗野な役とは少し違った存在感を放つ。
数年後、モンテ・ヘルマンが関わっていた『レザボア・ドッグス』に出演していたが、この映画で既に縁があったんだな。
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