長谷部安春のケレン炸裂!ボクシングシーン意外は… 『あしたのジョー』(1970)

【日活カルト映画の世界】で配信されていた実写版『あしたのジョー』を観た。
もちろん1970年版の方である。これ、長谷部安春監督だったのね。

90~00年代の漫画・アニメ系特番で、せんだみつお版『こち亀』と一緒に取り上げられては出演者達の失笑を買っている場面をよく目撃したものだ。
まさか10年後、その監督のファンになっているとは…

『あしたのジョー』(1970)
監督 長谷部安春
主演 石橋正次

【日活カルト映画の世界】あしたのジョー


確かに、序盤~力石編までを90分に収めているのだから、”ダイジェスト”という表現では足りないぐらい巻いたテンポで進行するし、漫画擬音をわざわざ表示するなど滑稽な部分も多いが、長谷部安春らしいケレン味溢れた喧嘩・暴力シーンもしっかりある。
特に、鑑別所での乱闘ではジョーを中心軸に目まぐるしく旋回するようなカメラワークで撮影されていて、臨場感があるし気持ち良かった。
ただし、冴えているのは喧嘩シーンばかりで、肝心のボクシング描写は映像的ハッタリが効かなかったのか凡庸なのが玉に瑕。

矢吹丈は石橋正次が演じていて、いかにも70年当時の若者という感じの軽薄さと饒舌が目立つが、原作序盤のジョーもこんなもんだったので、意外と悪くない。
ビジュアル的にはヨレヨレのトレンチルックを再現しているのみで、特徴的な髪型は再現する気なしという感じだが、どんなヘボ監督でもあの髪型をそのまま実写化するバカはいないだろうし、ビジュアル的な再現に無頓着だった当時の実写映画としてはマシだろう。
丹下段平は辰巳柳太郎が演じている。いっそ藤岡重慶で良かった気もするが、さすがに上手い。
反面、原作の叙情的な雰囲気はあまり重視されておらず、ドヤ街は出てこないし、泪橋はコンクリートの下に変更され違和感この上ない。
多分勢いで撮った映画なんだろうし、わざわざ危険地帯で撮影するまでもないと思ったのだろうか。

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